今でも子供の家事の手伝い必要なのでしょうか
勉強ができてほしい
受験は成功させたい
成績を伸ばしたい
賢い子供をそだてたい。
など、子供を持つ親は少なからず、子供が「賢くいてほしい」「自立してほしい」と願うものです。日本にいたら、特に受験は一度は考えるものかもしれません。特に現代では受験は低年齢化していて、何かしら忙しくなってきているのは確かです。
一方で世界中の多くの親の本当の願いは「子供が、自立し人生を幸せに生きてほしい」と願っています。だからこそ、いろんなことが「必要」だと思うものです。
では、家事・手伝いは「子供時代に必要なもの」なのでしょうか?
教育専門家と受験専門ママの意見
日本で2015年に教育評論家の尾木直樹さんと、子供を三人とも東大に入れたという佐藤亮子さんの対談の中で、「家事手伝いが必要か」という議論がされたようです。
教育の専門家と実際のお受験体験された方の議論でしたが、双方の意見としては、
尾木さん:段取り能力もつくし、達成感もある
佐藤さん:受験に不必要な手伝いは「基本的にはさせなくていい」
というスタンスでした。どちらも言い分がありますが、実際はどうなのでしょうか?面白い研究があったので、紹介します。
家事の手伝いの底ヂカラ
2022年のオーストラリアでの研究では、(研究)
食事の手伝いや庭の雑草抜きなど「定期的に行う子供たちは、人生の他の側面で優れている可能性が高くなります」 「例えば、彼らはしばしば学校の成績が良く、問題解決能力も優れています。」という結果がでていました。
家事手伝いのメリットとして、
・ワーキング メモリが向上する
・行動する前に考える能力の向上
・脳機能の発達
・実行能力の向上
実行機能という難しい言葉が使われていますが、もしこの「実行機能がない・または遅れている」場合、成人期における自己調整、計画、または問題解決の困難につながる可能性があります」と研究者は伝えています。
あるサイトでは「親が楽になるために家事を手伝わせる」という切り口もありますが、本当は「子供が家事の手伝いをすることは子供の将来の発達にかかせない」のかもしれません。
特に、問題を解決するというのは、とても大事です。
大人になっても問題を解決する前は、人はとてもストレスを感じます。なぜならその時「困っているから」です。
子供なら、なおさらかもしれません。
私もかつて、大好きな図工がある日に「絵の具道具」を忘れてしまいました。その時は、いろいろな考えが頭をよぎりました。
1:忘れたことを先生に言い、友達のを少し貸してもらう
2:遅刻覚悟で取りに帰る
3:公衆電話から電話して親に持ってきてもらう
結局、3を選び電話して、親に助けてもらいました。その時は親も働いている忙しい中に合間をぬって持ってきてもらったことに感謝しながら、もう2度と忘れ物はしない!と心に誓い、どうしたら忘れ物をしなくて済むのかを一生懸命考えていたのを思い出しました。
子育て時代に、生き抜く力を育てる
問題を解決していくのは、人生で避けては通れないものですし、これからの時代はいかに柔軟性のある思考で乗り越えていくのかが大切だとおもっています。
机について行う勉強も大事。ですが、家事の中にも「お勉強は詰まって」います。
最近の我が家ではいかに「上手に食洗機に食器をいれることができるか」を悩んでいる長男がいます。
食洗機には、入るスペースが決まっていますので、やたらポイポイと入れるとあっという間に隙間が埋まってしまい、結局「洗えていないお皿」ができてしまいます。しかもどこから水が出るのかという仕組みも大切です。
・全ての食器の量を把握し、
・できるだけ多くのお皿やコップを納め、
・どの順番に入れることが効率的で
・すべて綺麗に仕上がるのか
ここには「空間把握能力」や「論理力」や「忍耐力」も必要です。
生活環境によって家庭の事情ももちろん異なりますが、できるだけ、家事を子供と一緒にできたらいいですね。子供と議論しながら、家事をすすめるのも親としても達成感があるものです。
私もこの研究を通して、自信をもって(時に我慢強く)続けていきたいと思っています。
元地奈弓