改めて、仕事と子育てを見つめる
夏の終わりが近づき、少しずつオランダは黄金の秋への準備を始めました。真緑だった葉っぱはやや黄色を帯びて来ており、紅葉の一歩手前を予感します。
子供たちは学校が始まる一方で、親としてはまたひと夏超えた!という達成感と共に、夏に貯めたエネルギーを自分のために使いたい!と思う今日この頃です。
オランダ在住の日本人の方の中には、いろいろなご経歴のかたがいらっしゃると思います。その一方で、多くの女性は子育てに従事している真っ最中の方も多いのではないでしょうか?今回は、「母親業とキャリア」について、すこし思いを巡らせたいと思います。私自身、7年前に日本で仕事をしていた時は、仕事と子育てが二つ成り立つのかわからないくらいの忙しさで、混沌とした日々を過ごしていました。今は激務からは離れた一方で息を吹き返す時間もありますが、子育てという「名も無いキャリア」に少し戸惑うこともあります。
再び自分の経歴を見直すと、「抜けている」数年間にすこし焦りを覚えました。一方で、このままキャリアを積むことに一生懸命になると、また子育てが疎かになる・・という恐怖もあります。
オランダではどうしているのだろう。。ふとオランダのサイトを検索していると、やはり「オランダのお母さん」も葛藤を抱えているのだということに気づきました。
親子の時間とは
オランダに来ると、「チャイルドケア」と名のつくものがたくさんあります。仕事に早く復帰できる社会環境の利点もたくさんある中で、「子供との時間をとれない・とらない」ことに罪悪感を感じる母親もよく見られます。
では、親子時間とは「生後間もない子供〜自立するまでの間」にどれだけ必要なのだろうとふと疑問が浮かびました。親子一緒の時間があればいいものでもないと私自身は思っていましたが、それは本当のところどうなのでしょうか?
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ある「親子関係」について詳しく書かれていた内容からは、
「質」ということに重点をおいていました。一緒にいる時間をどれだけ「前向きな」ものにすることができるのかということです。
前向きに子供と向き合う時間
つまり、一緒にいる時間の中で、お互いの経験、考え、感情、について興味をもって向き合うことです。スマホが普及してから、子供と一緒にいる時間が「親子の時間」ではなくなりました。スマホを触っている間は親は子供を見ません。一方で子供も親の存在に気づかないこともあります。
ですが、前回も話したように、「生後3年までは親子で話す時間が言語の発達にも影響する」という研究が明らかになって来ています。実際、過去の経験からも「しっかり向き合った時間」はそれが楽しい・悲しいにかかわらず、「よい時間」だったことを思い出します。
皆さんにも子供時代を振り返ると同じような経験はないでしょうか?
もしかしたら、キッチンのまわりを子供がウロウロしているときは、「何かを伝えたい」のかもしれないし「ただウロウロしたい」だけかもしれません。さりげなく、料理に誘ってみてもいいし、シンクの周りで水遊びの時間にしてもいいかもしれません。
オランダのある記事には、「女性にとって子育て(母性)と仕事を両立させるのは人生にとって辛い時期」だという言い方をしているものもありました。これはもはや、日本・オランダ関係なく共通なのかもしれません。どちらに傾倒しても「自問」がつづきます。
ただ、大人も子供も「楽しい」という時間を共有する時間を意識的に(努力してでも)つくることは大切なのかもしれません。それが前述した「質」なのだとおもいます。
子供の才能を伸ばしたい・幸せに暮らしてほしいという私の親としての私の想い依然として変わりませんが、おそらくその根底には「親子の基盤となる時間」が必要なのではないかと思いました。
今日は、どんな時間を子供たちと共有しますか?
親子も参加できるイベント
ぼくえじ.com では月に1回から2回、週末の午前中に子供たちと工作を通して「楽しい時間」を提供します。ここでは、子供たちだけの参加もOKですが、ぜひ親子で楽しみにいらしてください。工作に集中したり、一緒に考えたり、自分のことを発表するお子さんたちの姿は、いつみても眩しいです。9月のイベントはもうすぐ公開です!
元地奈弓
元地奈弓 [MOTOJI NAYUMI]
オランダ在住・日本内科医師・4児の母・bokuedi.com 責任者
子供が将来、自立しながらも幸せに暮らすために、子供たちの才能を日々探し、見守ることを大事にしています。