いじめと脳の関係

どうして自分と違うのか

金曜は子供たちと1週間の「労」を労って一緒にテレビをみます。今日はその中でWonderというテレビでした。これは遺伝子疾患を持って生まれ、顔の一部の骨に欠損があるこどもの物語です。

漫画好きの子供は、ちょっと真面目な映画を嫌がりました。ですが、世の中には肌の色、考え方、姿、だけで争いやいじめがおこっていることに少し気づいてほしいと思い、一緒にみ始めました。

見ているうちに、子供たちに純粋な疑問が浮かびました。

「どうして、私たちと違う顔をしているのか」

違い(多様性)の受け入れ方

純粋な疑問です。

日本に住んでいた時は、髪の色や肌の色がちがう子供にですら、「違い」を感じていました。
違いからいじめになるのか、違いから世界が変わるのか、違いを受け入れるのか、その心理状態の変化はまだ分かりません。

ただ、一つわかっていることは、いじめは、いじめる人(人間)が引き起こすものだということです。いじめるとは、「相手に精神的、身体的な苦痛を与える犯罪行為あるいはハラスメント(嫌がらせ)行為」とWikipedia には書いてありますが、多くの場合は「大きな力をもって、力の弱いものをしいたげようとする様子」を考えます。

大きな力というのは、「腕力」だったり「体の大きさ」だったり「組織の力」だったりします。いじめるほうが「自分の方が優位にたっている」と思っている、または思いたいと思うときにおこります。

いじめと脳内物質の変化

一方で、脳科学的には、脳内のオキシトシンという物質も関連していると言われています。オキシトシンは通常、赤ちゃんがうまれたときの女性がもつ、愛情深さを象徴するようなプラスのイメージのホルモンですが、オキシトシンの他の一面に、仲間意識を高めるというような要素もあるようです。

いじめをする側は、誰かを排除するという行為で自分達の仲間意識を高めることができるとも言われます。

生まれた時から、いじめをする・いじめられるために生まれてきた子供はいません。ですが、何かしら優越感に浸りたい時、その裏側には「自分が心から満たされていると思うことが少ない子供」がいじめを始めるともいわれています。一方で、いじめを受けた子供は脳内のホルモン受容体が社会的衝動に対してはるかに敏感になっているという研究もあります。つまり、脳自体がストレス(たとえそれが安全な状態でるとしても)に対してとても敏感になっているようです

人と人との繋がりを大切にしてほしい

私たちは、現代で物質的にはめぐまれている時代に生まれています。何もかも手に入ると思いきや、「心には大きな穴が開いていて、お金では変えない部分がある」ことも確かです。

長女が先日いいました。

「クラスで、友達がいない子(みんなに嫌がられている子)がいるのだけど、一緒に遊んでみたら本当に楽しかった!また一緒に遊ぶよ!」

普段、集団を好まない長女ですが、人と人とのつながりを純粋に喜び、楽しんでくれている様子をうれしく思い、これからも見守りたいと思います。

元地奈弓

関連ブログ

子供たちの才能を

発見し伸ばし育む

ブログ
イベント